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【iDeCo受取時の注意点】その積立金 課税されませんか?

トムです。

iDeCoについて早く始めるに越したことはないのですが、月々の掛金をいくらにするか決めるにあたって受取時のことも考えたほうがいいと思いました。

受取時は全額非課税ではない

iDeCoは「積立時・運用時・受取時の3つの非課税」とうたっていますが、厳密には受取時は考えて受け取らないと完全に非課税とならないおそれがあります

積立時に非課税だとしても受取時に課税されては結局税金を先おくりにしただけで意味ないです。

受取時には積み立てた資金を「一括で受けとる」か「分割で受けとる」かにより、それぞれ「退職所得控除」と「公的年金控除」という控除の枠を使用することで非課税となるのです。

名前からわかるようにこれらは退職金に対する控除枠だったり、年金給付に対する控除枠だったりするので、iDeCoの受けとりに対して無計画だと本来の退職金や公的年金と枠がかぶるおそれがあります。

枠から超えた金額については税金がかかってしまうため受けとるタイミングや方法を考えておかないと結局税金がかかることになります。

ただし、iDeCoの受取で控除限度額を超えた分に対しては「その半額に対し課税」ですので 超えた額に対しても優遇はされています。

iDeCo一時金と退職金の退職所得控除は併用できない

会社に勤めていた場合には定年時に退職金が支払われます。この退職金に対しても退職所得控除がありますが、上で述べたようにiDeCoの一時金に対する控除上限額(A)と退職金に対する控除上限額(B)は残念ながら合算されません。

同じ年に受けとろうとする場合、控除上限額は(A)+(B)ではなく(A)と(B)の大きいほうに設定されます。受けとる年を1年ずらしたとしても、(A)と(B)はフルで並存できないんです。

イメージしやすいように下に具体的な数字を入れて説明しています。読みとばしてもらって結構です。

具体例

一般的な例として、会社員の上限である2万3千円/月の積立で30歳から60歳までの30年間運用した場合の話をします。

30年間の積立額は828万円。平均利回り2%と仮定して1110万、3%と仮定して1340万になります。

一方で、退職所得控除はiDeCoで30年間積立を続けた場合 (A)40万×20年+70万×10年=1500万円です(※)。ゆえに60歳で一時金として受けとる場合、平均利回り3%で運用できたとしても1340万円全額非課税で受けとり可能です。 ※ここでは式については細かく触れません

しかし、会社員には退職金があります。60歳で定年となり同時に会社からの退職金を受けるとします。退職金に対する退職所得控除は35年間その会社に勤めていた場合は(B)40万×20年+70万×15年=1850万円です。

残念ながら上の項で述べたように(A)と(B)は併用されて(A)+(B)=3070万円がその年の退職金控除上限とならず、(A)と(B)で額の大きいほうがその年の退職金控除上限となります。つまり1850万円が控除上限額となります。

この場合、iDeCo一時金だけでも1340万円の枠を使ってしまうため、退職金を例えば1000万円もらえるとすると2340万ー1850万=490万円が課税対象となってしまいます。

ではiDeCoを受けとる時期を1年後ろにずらすとします。この場合、年が違うのだから前年の(B)とは関係なく(A)が適応される・・・と思いたいのですが、そうではないようです。

iDeCo積立期間と退職金をもらった会社に勤めていた期間の重なった部分(この場合30年間)は差し引かれて控除額上限が計算されてしまうのです。つまりiDeCo一時金受取時の控除額は40万×0年+70万×0年=0円ですかね…。

iDeCo資金を分割で受け取る場合にも年金受給額とぶつかり似たようなことが起こります。

60歳時にiDeCo一時金を65歳時に退職金を受けとればいい

ここまでがっかりした話ですが、退職所得控除の仕組みには抜け道がありそうです。

それはiDeCo一時金→退職金の順番で受けとる場合5年あいだをあければ(A)と(B)が並存できるというもの。

トム
トム
それを早く言ってよー

つまり定年が65歳であり、65歳で退職金を受けとれるのであれば60歳時にiDeCo一時金を受けとります。するとiDeCo一時金に対しては(A)が、退職金に対しては(B)が非課税対象上限額としてそれぞれ適応されます。

今後定年の年齢は伸びる傾向にありそうなので65歳で考えてもいいんじゃないでしょうかね。

ちなみに退職金→iDeCo一時金という逆パターンは5年あけてもダメです。

結論:月々2万3千円を30年間でよさそう

月々2万3千円を30年間積立で運用益いれても控除上限額の1500万円超えることはあまりなさそうなので30歳から積み立てる場合はこれでよさそうですね。

運よく利回りがよくて1500万円超えたとしたら半分に税金かかるけどそれはもうもらえた分ラッキーということで。

それから細かい話をいえば、iDeCoの一時受けとりと分割受けとりは併用できるようなので公的年金受給までの60歳〜64歳は分割で受けとり、65歳時に残りを一時金として受けとることで非課税枠を70万円×5年=350万円増やせそうですね。

その場合退職金ある人は70歳以上で受け取らないと課税されてしまいますけど。定年の年齢は上がっていく傾向にありそうなのでない話ではなさそうです。

さいごに

面倒にみえるかもしれませんが、じぶんの積立期間を考えながらシミュレーターも使ってiDeCoの計画を立てるのは楽しいです。

受取時非課税としか聞いてないよ!とならないよう注意が必要ですね。トムでした。

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